「極短小説」にインスパイヤされたのでここにショートショートなノベルを記します。
東京街角シリーズ
気がつけば部屋中がピンクになっていた。
ぬいぐるみがあるわけではなく、少女趣味なのではなく、風水の影響でもない。
普通に暮らすための数々の備品が、ピンクになっていた。
服や道具はもちろん、食べ物やポータブルゲーム機までがピンク。
会社の部下たちは、悪趣味だとか気持ち悪いとか言っているようだが、42歳になってピンクのすばらしさにはまってしまうとは。
政治の世界で「チルドレン」が流行したころ、私と同じようにピンク色のスーツをまとう議員がいたので、少し応援していた。
定時に会社を出て、ピンク色のコートをはおり、特別につくらせたピンク色のIDカードをタイムカードに通す。
1時間の通勤時間の楽しみは、ピンクのポータブルゲーム機で楽しむ脳トレ。ゲームの画面ももっとピンクを使えばいいのに。
すべては、偶然入った銀座のセレクトショップでの「ピンク、お似合いですね」から始まった。

(絵:文 ©ハヤテノコウジ)
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