「極短小説」にインスパイヤされたのでここにショートショートなノベルを記します。
駅のホームから煙が消えた。
酒に酔って自分を見失っているオジヤンは、喫煙所がかつてあった場所でまだ吸っている。と思ったら、パイポだった。
駅を出たその先に、煙の輪が広がっている。
「歩行喫煙禁止区域です」「迷惑を考えましょう」といった立て看板の下で、低めの灰皿が立っている。
まわりには人。20代の、30代の、40代の、50代の、60代の男女が、均等に間隔をあけながら味わっていた。
吸いながら遠くを見つめる人々。
その様子を会社のリフレッシュルームから眺めたヨーコは、昨年の夏休みに訪れた英国の「ストーンサークル」を思い出した。古代、誰が立てたのかミステリーが残る遺跡と、現代、なぜニコチンを注入し続けるのかミステリーが残る喫煙者、2つがシンクロした。
人と石の立ちつくす様が、その影のでき具体が似ていた。
20年後、歴史の教科書、現代史あたりのページに、この様子が紹介されていた。写真のキャプションには「スモークサークルを組む人々」とあった。

(絵:文 ©ハヤテノコウジ)








