「モレスキン」という型がもたらす段階的な自己成長と発見(A4モレスキン使用感)

A4サイズのモレスキン使用感レビュー。モレスキンをめぐるココロの旅路

みなさんこんにちは。ボクは長年モレスキンを愛用し、このノートにイラストや絵日記、コラージュなどを描いているハヤテノコウジです。個展やイベント、会合、Facebookページやその他ソーシャルメディアを通じて作品発表を続けていまして、このブログの運営も大切な活動の一つと考えてます。この記事では、2013年1月の個展「ハヤテノコウジの旅日記展(デンマーク旅行編)」では、モレスキンに描いたデンマーク旅行記(A4サイズに描いたので、半年かかりました!)を展示しました。モレスキンってすごいな。これだけモチベーションをあげて、継続するのだから。ということで、モレスキンについて考えましたよ。

MOLESKINE モレスキン フォリオ スケッチブック A4 ([文具])

モレスキン・アトリエで出会ったA4サイズのモレスキン。

A4サイズのモレスキンの存在を知ったのは、有楽町ロフトの中にできた「モレスキン・アトリエ」というモレスキンの直営店のオープニングパーティーでのこと。たくさんのモレスキン商品と海外ステーショナリーやグッズに囲まれて、気分が良くなっている時に、アトリエの入り口近くでA4サイズのモレスキンを発見!正式には「モレスキン フォリオ スケッチブック A4」という名前だよ。

モレスキンに絵日記や旅日記、コラージュ、旅のイラスト、花のイラスト等を描いて、一部ではモレスキン・アーティストと呼ばれるボクは、長い間、「モレスキン スケッチブック ポケット」と「モレスキン スケッチブック ラージ」を使用。こちらはアート紙でできており、裏うつりはほとんどない優れモノ。紙の色がじゃっかんだけど黄色いので、白い紙に描くのとは違う雰囲気になるんだ。

ポケットサイズから始まったマイモレスキンライフ。

もともとは、ポケットサイズのモレスキンのスケッチブックを使ってた。ラージサイズを買ったのは、愛用のポケットサイズが一時的に手元から離れることになったのがきっかけだった。61人のモレスキンユーザー(モレスキナーという)の使い方を集めた書籍「モレスキン 人生を入れる61の使い方」 のその中の1人、としてご紹介いただいた時に、本で紹介されたモレスキン(計3冊)がプロモーションの一環で書籍展示されるので、貸し出したわけだ。使用中のモレスキンが手元になくなったので、ラージサイズのスケッチブックを買ってみた。

ポケットサイズに比べると、ラージサイズはたくさんの情報を記入できる。表現の幅が広がる。ラージサイズへの創作の試みをいろいろとやってみた。ラージサイズでは、和よりも洋、西洋的エッセンスが盛り込まれるようになった。不思議だ。ポケットサイズでは、世界を凝縮することでメッセージ性を増していく感じがすること。盆栽や茶室、禅庭みたい。ポケットサイズには京都の絵、とくに石庭等を描いていた。

 2011年ころの作風。モレスキン絵日記:やねせん散策編(まめさんぽ)

2011年ころの作風。モレスキン絵日記:やねせん散策編(まめさんぽ)

ポケットサイズの話をもう少し続けていいかな。ボクはモレスキンの本「モレスキン 人生を入れる61の使い方(以下、モレ本2)」の中で、旅の章のトップバッターとして紹介されている。この本の該当ページには、北京を旅したときに連れて行ってもらった、素敵なリゾート地の風景と、フィンランドのヘルシンキに滞在したときのスケッチが紹介されている。自分だけの、特に誰かに見せることを意識したわけではない絵が、読者の方の心をつかんだりインパクトを与えたり、モレスキンを使いたくなるような感情への訴求力がある、というのを知ったのは驚きだった。本に紹介されてからの自分の体験は、今思い出しても興味深いね。

他者に評価されるまでは内なる作品だったが、この本の著者陣のキュレーションによって、外部へと旅をし始めたようだ。 モレ本2の私のページを見て、この本を買った人、モレスキンを買った人、絵日記を描いてみるようになった人が何人かいる。発売されてから時間が経過しているが、モレスキン人気はますます高まっており、この本を目にする方はまだいるようだ。感想をいただけるのはとてもりがたい。この気持ちをしっかり定着させるために、その後は個展を3回実施した。またこの話しは別の機会に書こうと思う。

モレスキンポケットからモレスキンラージへ。

そしてラージサイズである。ボクの創作活動は、常に2つのスタイルを並行して走っている。1つは、文字のない、デザイン的なコンポジションの作風、もう1つは、文字と絵を、まるで雑誌の1ページのように表現した、絵日記風の作品。このどちらにおいても、ラージサイズになってから「他人」が関係してくるようになった。ある会合の思い出。大切な仲間との記憶。クリエイティブの共鳴の調べ。スペースが広がって初めて起きた現象である。図案・図柄の拡大、コラージュやスタンプ活用による表現力の広がり。ポケットサイズでは入らなかった資料なども、貼ることができるのも大きい。コラージュ、というのもやりやすい。でもね、重いんだこれが(笑)。重量がどんどん増していくため、携帯性が下がってしまったね。

でも面白いのは、ポケットサイズでもラージサイズでも、スキャンしたあとのデータの見栄えは同じようになる、という発見。ポケットサイズの絵や絵日記をネットで見た人は、モレスキンの実物を見ると「ラージサイズに描いているのかと思った」という感想を話してくれる。ラージサイズは、何かを貼る、スタンプを押す、という表現は間違いなく広がっていく。厚みはどんどん増してしまうが、貼る、描く、押す、といった様々な創作機会があるのは、とても楽しいことだと思う。

(2011年の作風)モレスキン絵日記:鎌倉編(まめさんぽ)2011年12月

(2011年の作風)モレスキン絵日記:鎌倉編(まめさんぽ)2011年12月

モレスキンラージで広がった仲間たちとのつながり。

ノートブックで何をするのも、ユーザーの自由。ボクの場合は、ラージを使い始めてからコラボレーションが始まったり、友人たちとの思い出の記録が増えていく。コミュニケーションの幅が広がる。ポケットサイズは自分でニヤリと見返すもの、ラージサイズは誰かと見るもの、になっていった。写真愛好家の友人の写真をイラストにさせてもらい、展示作品の原画を作ったり、散策イベントを企画・実施した時の記録を絵日記にしたり、旅先で友人たちと周った店を描き記したり。この絵日記は、とある外国人の知人(日本のカルチャーを英語で世界に発信している)に取材された際に、「Analog Blogだ」と評され、彼が書いた英文ニュースに写真として使われたのだが、これが世界中に配信されてアジア、ヨーロッパ、アメリカなどのニュースサイトやブログで紹介された。私のFacebookページのギャラリーや、instagramには全世界からフォローされるようになっている。先日もアメリカの大学の研究者から絵日記について問い合わせが入った。このような描き方を、外国の皆さんは面白がってくれるようだ。

モレスキンをはじめとして、ノートブックの面白さというのは「とりあえず気に入ったら買っておく」ことにある。頭の中に入れておくと、生活の中であのノートに書き記していくべきネタが見つかることにある。何かをやろうと決めてからノートを探しにいってももちろんいい(それが大半だと思う)。ノートに書くというパッケージ行動は、箱が先にあると制限されながらの創造性発揮ということにもつながっていくのではないか、という自分なりの仮説のもと、今日もノートを見つけに文房具店やセレクトショップを歩いていく。人類の歴史を考えてみると、「壁や岩や紙に記録したまめな人」たちの文化的財産が、現代人の生活に多大なるヒントをもたらした。まだ見つかっていない記録も、きっとたくさん残っているのだと思う。暗黙知を形式知として転換する、最もシンプルで簡単で確実な方法を、もっと多くの方に楽しんでもらって、未来人が見てくれたら面白いよね。

デンマーク旅行記(モレスキン フォリオ スケッチブック A4に作成)

2012年の作風。デンマーク旅行記(モレスキン フォリオ スケッチブック A4に作成)

そしてモレスキンラージからモレスキンフォリオ(A4)へ。

有楽町のモレスキン・アトリエでA4サイズのモレスキンのスケッチブックを買った時、まだ何に使うかは決めていなかった。ノートの在庫を、暇な時にめぐってみて、あのノートには何を描こうかという考えをめぐらす日々が続く。デンマーク旅行が近づいてから、ラージサイズとA4サイズのどちらかに旅日記をまとめていこう、という気持ちが高まってきた。「描く・書く」だけでなく「貼る」に対応するのは、アート紙の方のスケッチブックでは限界がありそうなので、A4サイズのモレスキンで進めることにした。A4サイズのモレスキンにデンマーク旅行記をまとめると決めてからは、効率が良い。いつも海外旅行時には紙資料を集めすぎてしまい、整理するのが大変なんだけど、サイズはすでに決めている。海外旅行の間に、「これは○○みたいに貼ると面白そう」「コラージュ用に使える」といったアイデアも生まれやすくなる。旅行中には使いそうなコレクションだけを持ち帰り、ノートに貼ったり追記したりコラージュしたりすることができた。

デンマーク旅日記

1週間以上の海外旅行をまとめるなら、「モレスキン フォリオ スケッチブック A4」も一つの選択肢としてオススメしたい。プレーンのように貼り、スケッチブックのように描くことができる。アート紙ほど厚くないので扱いやすい。モレスキンはラインナップごとにいろいろな表現ができるのが面白い。種類ごと、サイズごと、に加え、カラーバリエーションも豊富になってきたので、色別に何を描くか、も考えられる。これについてもまた記事にしていきたいです。

このように、モレスキンというパッケージに思いを刻みながら、自分自身の成長や他人との交流による好奇心的な刺激の与えあいを続けている毎日は、大変面白いと思っています。

(文・絵:ハヤテノコウジ)

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